[附巻0004]【毛鳳儀等、馳せて兵警を報じ、貢期を緩くするを致す。】薩州軍兵那覇に到り、尚宏(具志頭王子朝盛)・馬良弼(名護親方良豊)・毛鳳儀(池城親方安頼)・菊隠長老(西来院住僧)等、同に親見世に到り、亦和睦を請ふ。椛山氏等、嘗て依允せず、遂に、鳳儀、王上に扈従して麑府に到る。家久公、伊勢兵部少輔・鎌田左京亮を遣はして曰く、中国、我が附庸と為るを聞かば、後必ず以て入貢すること難からん。尚宏・毛鳳儀等早く已に帰国し、当に進貢の事を料理すべしと。其の秋、太守公の命を奉じ、麑府開船し、本国に回到す。倭難に遭ふを恤れみ、兼ねて修貢の職を贖ふ事の為に、鳳儀王舅と為り、長史金応魁(具志親雲上)等と同に楷船に坐駕して、メに赴き京に進む。公務全く竣り、辛亥の夏、本国に帰来し、即ち麑府に赴く。家久公、腰刀馬鞍等を賞賜し、法司官を拝授せしむ。亦駿河に到り、将軍家康公に朝見し、中国の事を奏聞す。公務全く竣り、其の冬帰国す(前に命を家康公に請ふ。故に駿河に赴き復命す)。