[附巻0016]【二十六年、馬瑞彩、身を家久公に致し、請ひて軍中に随ふ。】馬瑞彩(国頭按司正弥)、質として薩州に在るの時、大坂に変を生じ、人民大いに乱る。是れに由りて、太守家久公、旨を奉じ、兵を発して征伐す。瑞彩、其の軍に随ひ、以て便ち力を効さんことを請ふ。公、欣然喜悦し、即ち瑞彩をして改めて倭貌を為さしめ、名は、国頭佐馬守を賜ひて、兵卒を授与し、且鎧甲・腰刀・鉄鉋・馬鞍等の物を賜ひ、太守公に就き従ひ、麑府起程す。未だ大坂に到らざるに、兵乱既に治まり、早く安寧を得たり。瑞彩、薩州に回至し、翌年に至り、公務全く竣りて、帰国復命す。