[附巻0024]【元年、向茂栄、善く算法を知る。】薩州、本国の田地所出の米数を加増す。而して、人皆未だ其の賦税の法を知らず、以て知行給地の清冊を為る能はず。向茂栄(島尻仲城親方朝寿)、閉目杜門、間坐すること数旬、克く心力を竭し、善く功夫を致して、其の精奥を識得し、以て賦税の法を定む(俗に升口の算と叫ぶ)。是れに由りて、人皆其の法に効ひ、以て清冊を造る。今世に至るも、仍、其の法に効ひて行ふ。