[附巻0040]【十八年、照大寺を重修す。】伊江山の地、毎夜大光輝を放ち、斗牛の間に射沖す。居民之れを見て、大いに之れを奇怪とす。嘉靖年間、人民僉此の事を将て、之れを王に奏す。尚清王、使を遣はして往きて之れを視せしむ。使臣、伊江山に到るの夜、光を放つこと愈々熾んなり。暮より旦に達し、敢へて少しも滅せず。翌日、使臣遍く草野の間を巡るに、果して一古鏡を得たり。遂に収拾して以て之れを袖す。竟に洞中に置き、京に還りて復命す。此に于て、王、老僧輩を召し、細に以て之れを問ふ。諸僧曰く、乃ち是れ天照大神の垂跡する所の者なり。速かに霊社を建てて之れを其の中に奉安し、以て崇信すべしと。王、輔臣に命じて、茆社及び一菴を結構し、老僧をして看守せしむ。其の寺を名づけて照大山と曰ひ、浮亀と号す。万暦辛亥、尚寧王、薩州より回駕して国に到る。此の時、王、多く神社仏閣を修す。厥の功未だ竣らざるに、庚申の年に至り、王体忽ち病に染みて薨ず。乃ち尚豊王の登位するに至り、即ち父王の志を継ぎて、寺社を重修せしむ。是の年、此の寺を重修して、以て壮観に備ふ。