[附巻0047]【王、始めて普天間神社に拝謁す。】王、始めて普天間山に幸し、以て祈礼を為す。已に回駕の時、竜福寺に到り、先王の神主を拝察す。近世に至り、其の先王を祭るの礼を裁去す。由来記に曰く、九月は陽気已に老いて、万物凋傷し、人、危難多きの月なり。故に、人民、遠近に管はらず、遍く仏神の前に到りて福を祈ると爾云ふ。一説に曰く、薩州の人、深く本国の人の尊仏崇神を知らずして、邪神を崇信するを疑ふ。是れに由りて、王より以て庶人に至るまで、遠く普天間に到り、以て便ち立願して、神仏を深信するを明らかにして、以て其の疑惑を解くと爾云ふ。二説、孰れが是なるかを知らず。