[附巻0065]【附始めて大日寺を頼慶座主に賜ふ。】順治年間、頼慶座主なる者有り。其の僧と為りや、質資敏捷、穎悟絶倫なり。已に扶桑に飛錫して、窃に密法の奥旨を授け、亦両部の深源を極め、兼ねて儒道の書籍を学び、頗る義理の精微を知る。既にして本国に帰来し、即ち東寿寺に住して、説法講道し以て諸徒に教ふ。時に、尚質王、頼慶をして儒書を侍講せしむ。而して唐栄より禁城に至るの道路已に遠く、往来甚だ労す。是れに由りて、王、宅を首里内金城邑に賜ひ、此に寺院を創建して、東照山(原号は東林)大日寺と叫び、又遍明院と号す。大日如来像を奉安して以て崇信を為す。