[附巻0071]【始めて、真和志邑の宮城を擢んでて、以て燭主取を授く。】首里の宮城、嘗て毛秀材(小波蔵玄琢安詮)に随ひて薩州に到り、櫨油並びに燭の法を伝授して本国に回り来る。即ち櫨樹を各処に栽植す。康煕壬戌の年、始めて其の油並びに燭を製す。後亦、自ら白・黄・柴油・高椶油・花武大油・油等を試し、倶に以て交加し、以て燭を製す。且櫨油を漂白するの法を習ひて、以て国用に供す。是の年に至り、黄冠を恩賜し、主取役に擢んでて毎年俸米三石を賜ひて、以て其の功を嘉す。