[附巻0079]【二十六年、廖徴、始めて塩を那覇に造る。】遣老伝に記す、往昔の世、日本の人、本国に漂到し、遂に造塩の法を以て細さに羽地郡我部邑の人に教ふ。後又、隣境の郡邑、漸く造塩を知りて、以て国用を達す。黙れども路を隔つること已に遠く、焼造も亦少く、欠乏甚だ多し。泉崎邑の廖徴(塩浜親雲上芝香)深く之れを思憂し、日本人(麑府弓削次良)に追随して造塩の法を伝授す。遂に呈文を具し、其の事を請禀す。即ち長虹堤の浜に於て、始めて沙土を晒乾し、水を注ぎ汁を取り、焼きて以て塩と成し、大いに国用を達す。後褒嘉を蒙り、家譜を恩賜され、以て仕籍に登る。後亦、塩浜の名号を賜ふ。