[本文0112]二十五年、白銀を薩州弥勒院に寄賜して建堂の費を助資す。】薩州国分の弥勒院の住僧、妙徳院を創建して、隠居の処と為し、一堂を構結して弥勒像を奉安せんと欲す。然り而して費用欠乏し、力の施すべき無し。是れに由りて、住僧、恭しく呈文を具す。太守公、其の請を准依し、以て薩州に勧化し、遂に球陽に及ぶ。国王、白銀伍塊(共計二十二両)を寄賜し、王子より諸士に至るまで、又白銀七塊(共計三十両捌銭)を寄与して、以て弥勒堂の費を助く。薩州より球陽に勧化すること、此れよりして始る。