[附巻0163]【六年癸丑、琉球舘蔵方用聞坂元貞右衛門の厚志を褒嘉して物件を賞賜す。】此の年、坂元貞右衛門、本国に疱瘡の流行する有り、兼ぬるに前年冬より以て翌年夏に至るまで、疫癘に染患し、穀価騰貴し、凡そ貧家の、療治するに資無くして身故する者、已に数千人余に及ぶを伝聞し、意に其の子孫孑遺者を賑恤せんと欲し、大米百石を寄給す。是れに由りて、在番親方由を具して朝廷に報明す。法司議奏すらく、該坂元は、国財欠乏の時に当り、此くの如く貧家を賑恤す。洵に嘉すべきに属す。応に掛物二幅・大花入一個・東道盆一個・白烏紋|布各二端・土綢一端・紅白紗綾各一巻・紅白縮緬各一巻・焼酎一壷を賞賜し、以て厚志を表すべきに似たりと。主上議に依る。