[附巻0171]【本年、向氏大湾親雲上朝忠を褒嘉して、度支・申口等の席に陞せ、併びに吟味役の禄を賜ふ。】向氏朝忠は、西洋国の言語に通知するに因り、西洋夷人の、国に到りて逗留し、及び該国船隻の到来するに逢ふ毎に、昼夜励精して事務を承弁し、I難の事に逢ふと雖も、機に随ひて応答し、誠に抜羣の者に属す。宜しく当に、度支・申口等の席に陞進し、日後、日帳主取交代有るを待ち、其の後欠を頂がしむべし。其の通事一款に至りては、之れをして旧に仍りて承弁せしめて可なり等の因、薩州より牌を備へて移し来る。遵ひて即ち牌に照して挙庸し、併びに吟味役の禄を賜ふ。