[附巻0229]【二十四年辛未、仍、銅銭一文を将て鉄銭若干に抵用す。】本年、窃に聞く、薩州、将次、銅銭一文は、鉄銭若干に抵用す等由と。本国は、薩州の銅銭を改用するの時に遇ふ毎に、亦改用を行ふ。但近年以来、一切の鉄路は其の壅塞を極め、上は倉庫より下は世上に至るまで、其の難通に苦しむ。至若、現今世上の人等負債甚だ多し。若し銭文を抵用すれば、将に伊等の開負は許多の数を見、遂に顛連の地に至らんとす。薩州経に銭文を抵用すと雖も、而も本国に至りては、何銅銭一文を将て、鉄銭若干に抵用す等の由、業に奏明を経、随ひて允准を蒙る。