[附巻0281]【本年、去年、勝連郡浜村玉城筑登之の三端馬艦船、洋中颶に逢ひ、浙江省に飄到し、彼の省開船して福州に来到し、其の地開洋の後、又復颶に逢ひ、麑島県に飄到して、其の後、本籍に回る。】此の年、勝連郡浜村の玉城筑登之の三端馬艦船、通船十一名、太平山辺棹の時、風波猛起し、帆檣を打壊し、貨物を抛捨し、風に随ひて漂流す。飯糧・用水、底を徹して吃ひ尽くし、正に万死一生の間に在り。幸に、浙江省平陽県に飄到す。即ち該県官員、飯糧・用水・繩子併びに大小帆檣等の項を派賜するを蒙り、更に毎人、q子・半♀e一領を派給するの外、洋中の飯糧を撥給し、舵工二名を坐駕せしめ、之れが引導を為し、更に兵船を遣撥して之れが守護を為して、福州南台に解送す。即ち、海防官、球館に転交し、例に照して撫養するを蒙る。彼の地開洋の後、復逆風に通ひ麑島県坊之津に飄到して、駕す所の船隻、礁を衝きて損壊し、船上人等、共に恙無し。麑島丸船隻に附搭して、以て本籍に回るを得たり。