［本文0036］【太祖、梁民・路謙を遣はし、詔を齎して国に至り、三山を諭知す。】琉球国は、玉城王より、自ら分れて三と為る。而して三王互に争ひ、農業を廃棄し人命を傷残して、竟に相息まず。而して中山王、亜蘭匏等を遣はし、元旦を表賀す。山南王承察度、始めて師惹等を遣はし、表を奉じて入貢せしむ（山南の入貢、此れよりして始まる）。是れに由りて太祖、中山王察度に鍍金銀印一・幣帛七十二疋を賜ふ。且山南王承察度に幣帛七十二疋を賜ふ。且中使梁民及び路謙を遣はし、勅を齎して国に至らしめ、即ち詔一道は中山王に賜ひ、又詔一道は山南・山北二王に賜ひ、三王をして民戦を息め人生を養はしむ。中山王察度・山南王承察度・北山王怕尼芝、各其の詔を受け、戦を罷め兵を息む。亦皆使を遣はして恩を謝せしむ。太祖、三王に衣幣を賜ふ（山北の入貢、此れよりして始まる）。