[本文0046]【太祖、メ人三十六姓を賜ふ。】王、使を遣はして入貢せしむ。時に附疏して言ふ、通事程復・葉希尹の二人は、寨官を以て通事を兼ね、往来進貢し、労に服すること多きに居る。乞ふ、職を賜ひ冠帯を加ヘ、本国臣民をして抑止する所有りて、以て番俗を変ぜしめんと。太祖之れに従ふ。更にメ人三十六姓を賜ひ、始めて音楽を節し礼法を制し、番俗を改変して文教同風の盛を致す。太祖、称して礼義の邦と為す(程復・葉希尹は、何時国に至り仕を受くるやを知らず。今を以て之れを考ふるに、疑ふらくは是れ入貢の初太祖之れを遣はすか。故に程復老を告げて致仕するや、王具疏して之れを言ふなり。又曰く、三十六姓或いは老いて国に返り、或いは留まりて嗣無く、今僅かに存する者、惟、蔡・鄭・林・梁・金の五家のみと)。