[本文0051]【本国始めて蕉布を製す。】窃かに世鑑を按ずるに云ふ、洪武年間、中山王察度・北山王怕尼芝・南山王承察度の三王、倶に使を遣はし貢物を進むるに、内に生熟夏布有りと爾云ふ。是れに由りて之れを考ふるに、本国未だ中華に通ぜざるの前、必ず蕉布有りて以て人衣を為るならん。而して歴年久遠にして創造の世従りて稽詳する無し。