[本文0061]【附始めて天使館及び迎恩亭を建つ。】察度王始めて中朝に通ず。爾よりして後、天使数次来臨す。武寧に至り、始めて冊封の大典を受け、永く著して例と為す。此れを以て之れを考ふるに、則ち天使館は、武寧王此の館を創建し、以て冊使を駐むること知るべし。但迎恩亭は何れの代に之れを建つるや。疑ふらくは是れも亦武寧之れを建つる有らんや。一説に曰く、嘉靖年間、冊使陳侃、金を却くるに因り、故に迎恩亭を建て、以て之れを識すと。亦曰く、天使夏言、金を辞するの所なりと。汪公録を按ずるに、云ふ、夏言平生の歴官に、使を琉球に奉ずるの事無しと。之れに由りて之れを考ふれば、則ち却金の説、倶に取るに足らざるなり。