[本文0073]【明の成祖、使臣不謹の罪を寛し、特に以て遣はし帰す。】王、嘗て遣はす所の直佳魯、法を犯して坐誅せらる。成祖、王に勅諭して曰く、此のごろ王遣すす所の直佳魯等京に来るのとき朕之れを優待す。還りて福建に至るに及び、乃ち狂悖を肆にし、海舶を擅奪し、官軍を殺死し、中官を殴傷して其の衣裳を奪ふ。直佳魯は首罪にして当に大辟にモュべし。已に法司に命じて律の如くせしむ。其の阿勃馬結致等六十七人は、之れと悪を同じくし、罪も亦死に当るも、王の忠誠に眷みて特に遣はし帰し、王をして自ら治せしむ。自今使を遣はすのとき、宜しく之れを戒約して朝憲を犯すこと母かるべしと。