[本文0080]【王舅模都古等、一舟を賜はりて帰国せんことを乞ふ。】王舅模都古・長史鄭義才等、天使に随ひて京に入り恩を謝し、並びに香を長陵に進む。時に鄭義才具呈して言はく、海舟年を経て海風に壊され、臣等内官柴山の舟に附して以て入覲するを得たり。乞ふ、一舟を賜はりて帰国し、且朝貢に便せんと。宣宗、工部に命じて之れを給す(窃かに吾学編を按ずるに云ふ、尚巴志王のとき左長史・右長史有り。左長史は国政を掌ると。梁氏家譜に曰く、天順庚辰、皇帝の簡命を奉じ、特に中山王府左長史司に陞ると。而して歴年久遠にして此の職を創建すること従りて稽詳する莫し)。