[本文0135]【伊平屋の御臍壇。】伊平屋首見邑の北に一第宅有り。北に坐して午に向ふ。其の地甚だ狭く、縦横二十間に過ぎず。而して宅内に一座の土壇を築く(闊さ五歩、前は高さ一尺七寸、左右一尺、後は地漸々にして高し)。壇中に黒石三塊有り。樹木を栽植し、石を築きて環と為す。金丸王の臍を将て其の中に奉安し、且神軒一座を結構す。首見比屋、嘗て此の地に居る。其の家の火神、古より今に至るまで、公朝並びに居民、求祈する者有れば、必ず此に到りてイる。故に首見比屋の子孫、世々此に居りて此の宅を看守す。