[本文0144]【王、一年一貢を乞ふも憲宗許さず。】秋、王舅馬怡世・正議大夫程鵬・長史蔡曦等を遣はし、京に入りて恩を謝せしむ。並びに附奏すらく、古より以来皆一年一貢するも、邇ごろ臣が貢使、法に違ひて利を窺ふ者有るに因り、臣をして二年一貢せしむ。然れども、実に中華眷顧の恩に依り、以て他国窺伺の患を杜がんと欲して、殷勤貢を効す者なり。乞ふ、旧制の如く、臣をして一年一貢し、以て海邦を保たしめよと。憲宗許さず。翌年庚子、即ち王に賜ふに勅を以てし、王舅馬怡世に附して帯び回らしめ、以て其の許さざるの縁由を諭す。成化辛丑の秋に至り、且一年一貢を乞ふも、憲宗許さず、亦王に勅を賜ひて以て之れを諭す。