[本文0148]【十年、毛国瑞、八重山の妄りに安真理を祭るを禁裁す。】八重山、開闢の後人物繁顆す。而して巣居穴処して未だ屋盧を製造するを知らず。且禽獣を逐捕して以て食と為し、菓実を拾収して以て飯と為す。而して未だ烹}を為すを知らず。時に一神を生ずる有り、名づけて伊里幾屋安真理と曰ふ。始めて人民に耕種・飲食を教ふ。而して民、自ら之れを利とす。是れよりの後、年中月次、諸邑の人民、悉く其の神を祀り、以て神遊を為す。然り而して此の祭は俗説に係り、未だ実に其の事有らず。而して多く民力を傷ひ、民財を妄費す。是の年に至り、毛国瑞(恩納親方安治)、命を奉じて八重山に至り、農を勧め俗を整へ法式を制定す。時に固く其の祭を禁裁す。