[本文0179]【附西御殿並びに観音寺及び指帰の碑を創建す。】正徳年間、西御殿を創建し、以て天使を待するの所と為す。又日本僧日秀上人、流に随ひて国に至り、自ら社宮を金武邑に建つ。今、観音寺有り。何れの年に之れを建つるか考ふべからず。往昔の世、真和志郡松川邑の指帰の地は、恒に妖怪多く、屡々行客を悩ます。夜、更静に入れば、敢へて往還せず。正徳年間、日本僧日秀上人有り。波に随ひて国に至り、経を念じて碑(碑に梵字一字有り)を立て、以て鬼魅を除く。此れより来のかた妖怪復は起らず。