[本文0219]【天使館亭を加建す。】天使館大門内に、公堂一座有り。進めば則ち寝堂にして、冊使二員相共に栖居す。東西の廊二、後に小堂一ありて、僅かに従者を容る。冊封使郭汝霖等、海気鬱蒸し、室廬卑隘なるを以て、深く之れを憂慮し、以て大夫蔡廷美に告げ、転じて奏聞を為さしむ。王、即ち廷美に命じ、工を鳩め、材をqび、東西の地に各々ー亭を造らしむ。後垣と相隔つること約丈余許りにして、日ならずして成る。已に竹籬を両傍に結び、亦花草を前楹に植ゑて、花塢を各処に設け為る。頗る幽雅の趣有り。郭公等大いに喜び、乃ち其の扁に書して曰く、息思亭と。其の記今在り。次後、冊使の来臨に会ふ毎に、必ず寝堂の後に于て、小楼二を構へ、著して例と為す。