[本文0261]【附本国、隣国に聘問を為さず、只宝島に通ずるのみ。】我が国、土瘠せ産少くして国用足らず。故に朝鮮・日本・暹羅・爪哇等の国と、嘗て通行の礼を行ひ、互に相往来して、以て国用に備ふ。万暦年間、王、兵警を受け、出でて薩州に在り。時に、王、言ふ、吾、中朝に事ふ、義として当に終り有るべしと。日本、深く其の志を嘉し、卒に縦されて回る。爾よりして後、朝鮮・日本・暹羅・爪哇等の国と互に相通ぜず、本国孤立して、国用復欠く。幸に、日本属島度佳喇の商民有り。国に至りて貿易し往来絶えず。本国も亦、度佳喇に渡るを得て以て国用に備ふ。而して国復安し。故に国人、度佳喇を称して、宝島と曰ふ。