[本文0278]【法司官一員、官役等を率ゐて諸社寺に到り祈福す。】窃かに按ずるに、遏達理双紙に曰ふ、天啓丁卯元旦及び十五日に、法司官一員、三百十一官員を率ゐて諸社寺に到り、以て祈福を為すと爾云ふ(紫冠官三員・座敷九員・遏達理官二員・平等大屋子一員・勢頭官四員・親雲上七十七員・若里之子、筑登之共に二十一員・家来赤頭一百九十四名、通じて共に三百十一員、城に進みて四拝す。已に畢りて、波上山権現・天尊廟・広厳寺・沖山権現・両天妃廟・竜王殿・長寿寺神社・天久山権現・崇元寺廟・神徳寺・八幡神社・荒神堂・円覚寺廟に拝謁して、以て聖躬万歳、子孫繁栄、国泰民安を祈る。亦、城に進みて九拝す。聖王出御し又四拝の礼を行ふ。次後、下庫理に召して御酒並びに茶を賜ふ)。後、亦其の法司を裁して、紫冠をして社参の長と為らしむ。此の時、西堂僧二員有りて、先ず諸社寺に到り焼香祈福す。俗に先立坊主と呼ぶ。而して今其の僧を裁去して、各寺住僧をして焼香せしむ。