[本文0343]【始めて、広徳寺を霊室に賜ふ。】弘治年間、法同王舅浦添親方(姓氏未だ伝はらず、号を月船忠公と曰ふ)、天竜山広徳寺を創建して、以て廟寺と為し、祖宗の神主を奉安す。然りと雖も、年を経ること久遠にして、開基の住僧も従りて稽詳する莫し。爾来、官寺の列に随ひて、命を奉じて此の寺に住持と為すなり。崇禎年間、尚寧王妃阿応良恵按司加那志、茲に資銀を捐して、此の寺を重修し、霊道をして住僧と為し、以て中興を致さしむ。是の年に至り、二世霊室に授けて、以て隠居の処と為す。時に券書有りて、以て霊室に賜ふ。今世に至りても、猶私寺為るなり。