[本文0379]【宮古島、始めて医術を学ぶ。】宮古島は、古より医生存らず。因りて疾病有れば、多く性命を損ず。是れを以て、王朝深く之れが為に憐み、即ち令を伝ヘ、島人を召来して、医術を学習せしむ。彼の島、遵ひて河充氏新里与人・忠尊氏下里仁屋二人を遣はし来る。随ひて、典薬(御医)休伝・意安(二位医名)に令して教学せしむ。九年にして、其の伝授を得て帰る。因りて銭持氏仲座有り。新里に請ひて学ぶも、尚未だ伝授を得ず。意はざるに、新里世を棄つ。仲座、本国に来到し、随ひて紹易(医名)に学び、深く其の伝授を得て帰島す。此れより医道絶えず。