[本文0428]【王殿を建造するのとき使を久米島に遣はして材木を分採せしむ。】久米島の夫地頭比嘉、王使の令を奉じ、民を率ゐて山林に入り、多くの材木、海辺に牽出し、転じて水中より牽きて船に至り、三日ならずして材木皆船に到り、民役も亦疲困に至らず。此れ皆比嘉の功なり。王使以聞す。即ち其の功を褒して供夫一名を加賜し、且其の渡海の役を免ず。後、比嘉死するも又比嘉夫地頭職を以て其の長子に賜ふ。