[本文0501]【識名神社を洞外に移構す。】往昔の世、識名社宮を洞中に建立し、阿弥陀・薬師・観音を奉安し、恒に以て崇信す。亦此の寺を造り、茆草以て蓋き、而して神社を看守す。是の年、寺並びに宮を修造し、改めて蓋くに瓦を以てす。而して洞中潮湿ありて檐宇早爛し、修葺に勝へず。住僧覚遍、題請して神社の宮殿を洞外に移構す。