[本文0553]【瓦以て内間東殿を改め蓋く。】金九王、未だ大位に即かざるの時、御鎖側官に擢任し、並びに内間地頭職を拝授す。屡々尚徳王を諫むるに、王大いに怒りて之れを悪む。金丸即ち避けて内間邑に隠る。金丸践祚するに至り、其の第宅、空地にして家屋を構ふる無し。尚象賢(羽地王子朝秀)国相に任ずるの時、宮殿を創建するを題奏す。尚賢王、輔臣に命じて東殿(広さニウ・長さ三ウ)を修造せしめ、但茅草を以て之れを蓋く。是の年、大美御殿の帑金を発し、重修するに樫木を以てし、瓦以て之れを改め蓋き、邑人を撰択して其の殿を看守せしめ、即ち赤八巻並びに田地(田高二石四斗、地高三斗八升余)を賜ふ。