[本文0608]【始めて天界寺に井を鑿ち以て清水を得たり。】此の寺の地内、屡次井を鑿ちて泉を求むるも、而も未だ一点の泉水を得ず。但日々民家に往き水を挑ひて来る。住僧了道、蔡応瑞をして遍く井を鑿ち水を得るの処を視せしむ。即ち井を此の地に鑿ちて清水を湧出す。味甚だ甘美なり。此れよりして来、担に寺院の水に便なるのみならず、天、旱魃に当るや、四隣の民人尽く此の井に来り、泉水を汲み得て亦渇を息むに足る。