[本文0609]【大日石堂を波上山に移建す。】嘉靖甲申、日秀上人、謹しみて阿字を石上に書し、波上山の海辺に創建し、人をして即身成仏の意を知らしむ。而して堂屋有ること無く、歴年久遠にして風雨の為に破らるるを恐る。是の年に至り、護国寺の住僧頼賢、人民に縁募し、基を此の地に移し、石堂を創建して其の阿字を堂内に奉安す。之れを名づけて大日如来堂と曰ふ。