[本文0647]【四十年、重ねて那覇湧井を浚ふ。】那覇和久田の地に、一田畝有り。田辺に井有り。其の水湧出すること滾々たり。之れを名づけて湧井と曰ふ。其の味甚だ甘く且清し。最、茶を烹に宜し。昔より村人悉く皆之れを用ふ。是れに由りて、近隣の田は、叫んで湧田と曰ふ。後その村に名づく。近代に至り爛泥の壅する所と為り、其の味漸く衰ふ。是の年、村人捐助して、泥を除き、浚はしむ。其の味、仍、旧の如し。