[本文0650]【宮古島川満村に前並久伊有り、雷に打たれて死す。】久伊、大麦を刈らんとして、友を催して畠に往く。将に以て手を下さんとするや、料らずも、大雨盆を傾け、加ふるに雷霆を以てす。其の友、一洞中に躱れて其の難を逃避す。知らず、久伊、何の機会を誤ること有りてか、雷に打たれて死す。