[本文0670]【始めて先王の尊諱、其の一字を取りて以て之れを用ふることを許す。】先王の尊諱、或いは一字有り、或いは二字有りて、素より士臣、其の字を取りて、以て諱と為すを許さず。乃ち是れ君臣の分を弁ずるなり。今番始めて先王五世を歴てより後、其の尊諱二字の内、其の一字を取りて、以て臣士の諱と為すことを許す。而して亦其の二字を取りて、以て諱名と為すことを許さず。且、文章に至りては、一字の尊諱と二字の尊諱とを論ぜず、即ち其の字を取りて、以て之れを用ふべし。五代の先王及び当君より世子・世孫の尊諱に至るまでは、取用するを許さず。乃ち是れ臣士たる者、敢へて主君と名を同じくせず、謹んで以て之れを避くるなり。