[本文0753]【[球陽巻十 尚敬王]九年、円覚寺大殿回禄す。】正月初一日丑時、火を失して、円覚寺大殿を焼損す。而して照堂・仏殿・山門は幸に火災を免る。時に住僧覚翁、小心有ること無し。謬りて火災を起し、其の火災に当りても、専一に自己の貨物を担出し、先王の神主及び寿影を顧みず。而して今尚清正の神位並びに尚豊王・尚賢王の寿影を焼失す。是れに由りて、覚翁は八重山に流し、照堂僧は、久米山に流し、亭僧は、照泰寺に放在すること三百日なり。