[本文0757]【大雹、川田・平良の二邑に降る。】秋八月十一日、久志郡川田・平良二村、日晴れ、風静かにして、気又暖喧なり。午時に至り、雲起ること一片、陰天となるに非ずして倏然として小雨あり。未だ一刻を閲せざるに大雹驟かに降り、草木の枝葉、尽く打破せらる。未時に至りて稍止む。村民之れを見て、大いに之れを驚き訝しみ、且之れを奇怪とす。総地頭に禀報し、朝廷に転奏す(雹状、磧の如く堅硬にして解けず。其の囲、或いは四五寸或いは一二寸、或いは米粒の大なり)。