[本文0782]【王、使を遣はして謝恩し、其の方物を将て正貢と作すを准さる。】王、紫巾官向得功・正議大夫鄭士絢等を遣はし、以て玉器・緞幣等を賜ふの隆恩を謝す。時に向得功、大和殿傍に宴を賜はり、且乾清宮に召見せられて、坐并びに茶を賜はる。皇上、国王并びに地方の太平、百姓の安楽及び一路官の優待を諭問す。且例として国王に賞するを除くの外、玉器・緞疋共計二十八件を加賜す。又向得功に内造緞・白銀を加賞す。時に旨を奉ず、琉球国王は、只心に皇上の恩典を知るを要め、必ずしも礼物を貢献して、恩を謝せざれと。且旨を奉ず、琉球国王は、朕、御書額及び玉器・綵緞等の件を頒賜するに因り、特に使臣を遣はし、表を進め、恩を謝す。貢献の礼儀、具さに誠悃を見はす。朕、遠藩に加恵して、其の貢物を収むるを欲せず。但既に航海遠来し、其れをして本国に帯回せしむるに忍びざるのみ。査するに歴来朝鮮国王進献の礼物は、若し収受せざれば、内務府に交送して存留し、年貢に准じ作すの例有り。今琉球国王進むる所の礼物も、即ち此の例に照して存留し、二年一次の正貢に准じ作し、以て朕遠人を体恤するの至意を示す。此れを欽めよと。向得功、旨を奉じ跪拝して恩を謝す。既にして事竣りて帰国す。