[本文0792]【十四年、王、武自勇に命じ、山南に溝を鑿り泉を引き、農田に注入せしむ。】本国の農田、天旱に遇ふ毎に五穀熟らず。民甚だ之れを憂ふ。王嘆きて曰く、国の本は民に在り、民の命は食に在りと。国相・法司、奏して曰く、山南の与座村に泉有り。万田に注ぐに足ると。是れに由りて、法司向和声、命を奉じ前みて山南に往き、地形を歴見し、高奉行武自勇等をして溝を鑿り、泉を引かしむ。湾々曲々引いて東風平間切に到りて農田に注ぐ。民、旱を憂へず、稲穀豊登す。王、喜びて曰く、各処泉有るの処、皆此の類を推して、以て天旱の憂を防がしめよと。