[本文0810]【糸数邑の総耕作嶺井、民に稼穡を教へ、并びに毎郷約を立てて以て米銭を貯へ、深く褒奨を蒙る。】玉城郡糸数邑に嶺井なる者有り。幼稚の時より力を田畝に尽くし、稼穡功有り。擢んでて総耕作当と為り、心を尽し力を竭して民に稼穡を教ふ。則ち五穀豊登し、飲食已に足る。又毎郷約を立てて以て人民に教ふ。則ち民俗倹簡、蓄儲最も多し。郡中の人、竟に以て米二百九十一石余・銭一万九千九百八十貫文を貯へ得たり。是れに由りて、郡中のw搴yび高奉行・総地頭、僉、呈文を具し以て其の事を禀す。遂に褒奨を蒙り、座敷の位を賜ふ。