[本文0822]【始めて御甲子並びに用心祈念を裁つ。】尚真王、始めて御甲子祈福を設く。而して毎年正月御甲子の日、衆僧、円覚寺・天王寺に聚会して、壇を設け、経を念じ、聖躬万福・子孫繁衍・国泰民安の洪福を告祈す。其の朝より起め、晩に迄りて止む。翌日に至り、恭しく其の配帙を聖王に献ず。且、七社の祝官、皆其の年の、歳徳所在の霊社に聚りて、qに神楽三座を為す。而して波上社の祝官、仏餉を齎捧して聖主に奉献す。時に御仲門勢頭を遣はして、御玉貫一双を賜ふ。是の年に至り、始めて其の祈福並びに毎年正・五・九月の祈福(俗に用心祈念と叫ぶ)を停む。窃に勢頭双紙を按ずるに、天啓年間、尚豊王の時は、甲子の日に逢ふ毎に戌時、城内各座の夜番官及び国殿の官員、城庭に排坐し、寅方に向ひ、聖歳の数を以て、拝礼を行ひ為すと爾云ふ。而して今は夜番並びに下庫理官員、城庭の左右に列坐し、皆王殿に向ひて、三十三拝二次・九拝一次を為す。