[本文0840]【首里の阿天秩、恒に頭巾を用ひて以て仕ふ。】本国の官員、未だ老衰せずと雖も、頭髪先づ禿れば則ち致仕隠居し、名号・衣制、尽く皆之れを改む。而して親方・親雲上等を称せず。今、阿天秩(南風原親方寸周)は未だ甚だしくは老衰せず。而も髪先づ頽禿す。是れに由りて、恭しく呈文を具し題請す、常に頭巾を用ひて仕ヘ、見朝の時は必ず八巻を用ひて、以て朝礼を行はんと。幸に兪允を蒙りて、入仕を為す。官員の頭巾して以て仕ふる、此れよりして始まる。