[本文0915]【始めて長月の御崇及び四度・四品の御物参の礼を裁つ。】二月の間、恭しく吉旦を択び、長月の御崇を為す。前一夜戌時、真壁殿内・儀保殿内に於て、夜、崇祭有り。其の翌日、百官及び諸郡邑並びに外島の長及び有位者、恭しく衣冠を整ヘ、各処の諸神の前に拝謁して、以て聖主の万歳、子孫の綿延、物阜く民楽しみ、国泰く海晏からんことを祈る。其の願文は、皆番字を以て之れを述ぶ。若し漢字を用ひて之れを改正せば、本韻を失はんことを恐る。故に敢へて正さず。三月・八月の間、謹んで令辰を択び、以て四度物参りを為す。其の四度の日、勢頭九員・筑登之九員・里主部及び家来赤頭八十一員・三番の親雲上二十七人、十四人に分ちて以て九隊と為し、各処の神前に到り、以て拝礼を為すこと四次、而して福を・イる。故に名づけて四度物参りと曰ふ。三月・八月の間、必ず吉旦を撰び、百官をして各処の諸神前に到り、国家の為に福をイらしむ。此の日、百人以て祈福を為す有り。順礼して以て祈福を為す有り。百度以て祈福を為す有り。亦七度以て祈福を為す有り。之れを名づけて、四品物参りと曰ふ。是の年に至り、其の三物参りの事を裁去す。