[本文0919]【始めて春夏の祭日に、人、他邑に行き妄りに稷神を拝するを禁ず。】往古の時より、春麦初めて熟するや、諸郡邑、各々祭品を備ヘ、以て神社を祭る。已に収むるに至りても亦祭ること前の如し。夏日、稲米初熟し、已に収むるも亦以て祭祀すること共計四次なり。窃に此の祭を按ずるに、各々稷神を祭りて、以て五穀豊登の恩に報ず。而して首里・那覇等の処は、農以て業と為すに非ず。且他処の神は其れと相累らず。今、首里・那覇・泊・唐栄并びに諸郡邑の人民、各々妻子を携へ、行きて他邑に至り、以て稷神を拝するは、妄祭に似たり。是れに由りて、始めて人の、他処に至り以て拝社を致すを禁ず。