[本文0938]【宮城村の喜也宇大翁、死して歌を墓中に唱ふ。】与那城間切宮城村に、喜也宇大翁なる者有り。七十歳にして死す。臨終の時、子孫に謂ひて曰く、我が能く神歌を唱ふるは、汝等の共に知る所なり。若し陰間、生前に異ならざれば則ち死後三日、必ず之れを唱へ、以て汝等に聴かせんと。期に至り、倶に往きて之れを聴くに、果して歌声有り。