[本文0992]【行者役に俸米を加賜して、円覚寺に住居せしむ。】行者役二人は、円覚寺に在りて、使令に供し、撞鍾を兼ぬ。故に其の宅を池上の地に構へて寺を離れしめず。是の年に至り、其の池上の地を将て役座を創建す。若し其の宅、別処に在らば、恐らくは以て用を弁じ難からん。是れに由りて寺社奉行、俸米各五斗を加賜し、寺内に住居することを呈請し、遂に其の請を准す。原是れ行者役を務むる者は、人家の僕なり。近年に至り、始めて改めて首里百姓に代ヘ、永く著して例と為す。