[本文1019]【貢船の直庫二名を褒奨し、各々上布を賜ふ。】雍正壬子の貢船、翌年八月既望、五虎門開洋し、定海に風を候つ。然れども、秋に入ること已に深く、順風を見ず。是に於てか、直庫(又は船頭と称す)金城・小嶺相共に商議して、北に向ひて行く。温州の北関を歴至して、彼の地開船、十一月の朔、平安に回国す。後年、貢船亦北地を歴過して、以て湾泊を致すを知り、以て往来に便す。是れに由りて、其の労を褒嘉して、毎名上布五疋を賞賜す。