[本文1048]【始めて、御使者を伊平屋島に遣はし、阿母加那志を弔祭せしむ。】古より以来、伊平屋阿母加那志、辞世遠去の時、未だ弔祭の礼有らず。是の年に至り、勅諭して曰く、伊平屋島は、尚円王祖塋の在る所にして、彼の阿母加那志は、先王の妹裔なり。世々阿母加那志を襲ひ、今、阿母加那志、辞世遠去す。御香・御花・御酒を賜ひ、使を遣はし弔祭すること何如と。諭を奉じ、法司相量りて上言す、諸按司・親方卒去の時、同姓と異姓とに管せず、皆使を遣はして之れを弔ふ。則ち伊平屋阿母加那志、宜しく使を遣はして弔祭すべしと。是れに由りて、聖主並びに聞得大君加那志・佐敷按司加那志の各位、使を伊平屋島に遣はし、御香・御花・御酒等を捧げて弔祭せしむ。