［本文1119］【両日出昇す。】玉城郡志堅原邑の民、仁及び当山等、夏四月二十二日、牛を拉して知武原に至り、以て養を致す。忽ち日の、卯辰の方位に出づる有り。色最も青緑にして、光輝有る無し。当山等大いに驚き且怪しみ、歩を站めて之れを見るに、亦日の、寅卯の方位に出づる有り。煌々燿々として大いに光輝有り。卯辰出づる日は、已に数竿に升り、翳々たる黒雲、南よりして来り、其の日を蔽し、既に消滅を致す。当山、慌忙として、家に回り、両日出升を告説す。此の時、牛大城、泉川原より帰来し、其の事を説知す。当山の言と相異ならず。是れに由りて、検官、恭しく疏文を具し、朝庭に禀明す。